大学時代の専門分野は農業経済。牛に触れたことは全くありませんでした。就活は、食に関わる会社を考えていましたが、JETと出合って、食の始まりとなる生産現場の仕事に魅力を感じました。
何よりも引かれたのは、人も牛もたくさんいるメガファームを展開し、企業として成り立たせていたこと。農業を会社にするってどういうことなんだろう?北海道のように広大な土地でなく、狭い場所で効率良く利益を上げるために何をしているんだろう?農業経済を勉強してきた僕にとって、企業農業の利益追求の仕組みを学べるJETに興味が尽きませんでした。
1年間搾乳に携わった後、繁殖部門に異動してきました。現在は、牛舎1棟を丸ごと任され、100頭の母牛を見ています。牛舎では365日毎日分娩があります。分娩から回復した牛は、子宮や卵巣の状態を検査し、次の妊娠に向けて準備を進めますが、その状態は1頭ごとに日々違っていて、それぞれのケースが新たな知識になります。検査で違和感があれば治療したり、ホルモン注射を打って人工授精のタイミングをコントロールすることもあります。
小規模な牧場なら獣医に任せることも自分たちの手で行うので責任を感じますが、その分やりがいも大きいです。
分娩からの経過日数、妊娠の有無などの状況はデータで管理し、1頭1頭を追えるシステムです。繁殖の成績は牛舎ごとに完全に数値化され、自分の仕事の結果が明確になってしまう厳しさはありますが、数字がモチベーションにつながる面もあり、「頑張って数字を上げてやろう!」とかえって燃えます。自分の仕事がいかに収益に結びついていくかも考え、会社に貢献しなければいけないとも思っています。
農業は、自分で考えて、判断して、行動する場面が多い仕事です。マニュアルがない難しさはありますが、難しいから面白いのかもしれません。
わたし、
現場で成長しました。
酪農の仕事は、飼っている牛に餌を与え、乳を搾るという単純な作業のイメージしか持っていませんでした。
ミルクを出すための管理は綿密。自分はどうしたら生産に貢献できるかを考え、仕事をするようになりました。